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もやもや日記

iQOS(アイコス)、禁煙、医学部、ラジオについて気になったことを書いていきます。

iQOS(アイコス)は肺気腫・COPDに有効か?COPDモデルマウスを用いた実験結果

たばこ・iQOS(アイコス)

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注意)このエントリーは肺気腫・COPD患者さんにiQOSや電子タバコを推奨する記事ではありません。

COPDは禁煙が治療の基本になります。

 

最大の原因は喫煙であり、喫煙者の15~20%がCOPDを発症します。タバコの煙を吸入することで肺の中の気管支に炎症がおきて、せきやたんが出たり、気管支が細くなることによって空気の流れが低下します。また、気管支が枝分かれした奥にあるぶどうの房状の小さな袋である肺胞(はいほう)が破壊されて、肺気腫という状態になると、酸素の取り込みや二酸化炭素を排出する機能が低下します。COPDではこれらの変化が併存していると考えられており、治療によっても元に戻ることはありません。

 

 COPDに対する管理の目標は、(1)症状および生活の質の改善、(2)運動能と身体活動性の向上および維持、(3)増悪の予防、(4)疾患の進行抑制、(5)全身併存症および肺合併症の予防と治療、(6)生命予後の改善にあります。気流閉塞の重症度だけでなく、症状の程度や増悪の頻度を加味した重症度を総合的に判断したうえで治療法を段階的に増強していきます(資料2)。喫煙を続けると呼吸機能の悪化が加速してしまいますので、禁煙が治療の基本となります。増悪をさけるためには、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンの接種が勧められます。薬物療法の中心は気管支拡張薬(抗コリン薬・β2刺激薬・テオフィリン薬)です。効果や副作用の面から吸入薬が推奨されており、主として長時間気管支を拡張する吸入抗コリン薬や吸入β2刺激薬が使用されています。気流閉塞が重症で増悪を繰り返す場合は、吸入ステロイド薬を使用します。長時間作用性β2刺激薬と吸入用ステロイドの配合薬も有用であることが証明されています。非薬物療法では呼吸リハビリテーション(口すぼめ呼吸や腹式呼吸などの呼吸訓練・運動療法・栄養療法など)が中心となります。低酸素血症が進行してしまった場合には在宅酸素療法が導入されます。さらに呼吸不全が進行した場合は、小型の人工呼吸器とマスクを用いて呼吸を助ける換気補助療法が行われることもあります。症例によっては過膨張した肺を切除する外科手術(肺容量減少術)が検討されることもあります。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)|一般社団法人日本呼吸器学会

 

つまり、禁煙によってCOPDの症状は改善しませんが、悪化のスピードを抑えることができます。

今回の実験結果はあくまでもマウスを用いたものになりますので、iQOSのヒトのCOPDにおける影響はわかっていません。

 

iQOSにおける受動喫煙

さて、前置きが長くなりましたが、受動喫煙について最近ニュースが流れていましたね。

 

 国立がん研究センター(国がん、中釜斉理事長)は31日、受動喫煙による日本人の肺がんリスク評価を「ほぼ確実」から「確実」に引き上げた。これに伴い、日本人の実情に合わせてがん予防法を提示しているガイドライン「日本人のためのがん予防法」の喫煙についての記述を、他人のたばこの煙を「できるだけ避ける」から「避ける」に修正した。【君塚靖】(医療介護CBニュース)

受動喫煙 肺がん危険「確実」(2016年8月31日(水)掲載) - Yahoo!ニュース

 

そこで、iQOSの受動喫煙について科学的データを調べていたのですが、先にiQOSのCOPDに対する影響を調べた論文を見つけたので、こちらについて紹介しようと思います。

受動喫煙については、見つけたらまた後日紹介します。

 

実験デザイン

紹介するデータはフィリップモリスのウェブサイトに掲載されていたものになります。

Comparative Assessment of Lung Inflammation, Pulmonary Function and Emphysema Caused by the Aerosol from Potential Reduced Risk Products and Cigarette Smoke in Mouse Models of COPD | PMI Science

 

まず最初に実験デザインですが、動脈硬化になりやすい遺伝子操作を加えたマウスに対して、5つのグループにわけます。

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右の5つのバーが5つのグループに対応するのですが、上から

 

3R4F:従来の紙タバコの煙を吸わせたグループ

SWITCHING:従来の紙タバコ→iQOSにスイッチさせたグループ

CESSATION:従来の紙タバコ→禁煙したグループ

Control(Sham/Air):非喫煙者のグループ

THS2.2:iQOSのエアロゾルを吸わせたグループ

 

になります。

 

肺の炎症細胞はiQOSの切り替えによって低下する

COPDはタバコの煙が原因によって引き起こされる炎症性疾患ですが、炎症が引き起こされると、マクロファージや好中球、リンパ球などの白血球が上昇することが知られています。

そこで、これらの5つのグループに対して、肺の炎症性細胞の数を調べたところ、禁煙したグループ(CESSATION)と同程度にiQOSに切り替えたグループ(THS2.2)で炎症性細胞が低下していることがわかります。

 

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肺実質組織の破壊は、iQOSの切り替えによって改善する

喫煙により炎症が続くと、肺組織が壊れてきます。

そこで、実際に肺組織の破壊の程度を顕微鏡下で調べて、スコアリングしたデータがこちらになります。

 

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その結果、従来の紙タバコを続けたグループ(3R4F)は肺実質組織の破壊が進んでいますが、iQOSに切り替えたグループ(THS2.2)は禁煙のグループ(Cessation)と同程度になっていることがわかります。

 

まとめ

他にも肺機能や遺伝子の発現レベルも調べていますので、気になる方は元のサイトを見てみてください。

ただ、多くのデータで従来の紙タバコからiQOSに切り替えることにより、肺の炎症を抑え、肺機能の維持にポジティブな結果をもたらすということを示唆しています。

しかしながら、冒頭にも書いたように、あくまでもマウスの結果でありますので、ただちにヒトでもiQOSがCOPDに有効であるかどうかは不明です。