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もやもや日記

iQOS(アイコス)、禁煙、医学部、ラジオについて気になったことを書いていきます。

iQOS(アイコス)はタバコのリスクを本当に減らしているのか 臨床試験の結果を調べてみた

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iQOSの有害性

少し前から話題になっているiQOS(アイコス)ですが、iQOSに関してどのぐらいの害があるのか、医師や国などの見解を調べてみたんですけど、なかなかでてきません。

いや、正確にはでてくるんだけれども、「iQOSはタバコと同様に有害物質を含んでいるから吸わない方がいい!(ドヤ)」、という、そんなのiQOSを吸ってる人なら全員知ってるよという意見ばかり。

 

いわゆる「新しいタバコ」に対する日本禁煙学会の見解

 

1)紙巻きタバコと同様にニコチンが含まれる。
したがって、呼気にもニコチンが含まれ、受動喫煙による急性心筋梗塞などのリスクがある。
2)紙巻きタバコと同様に種々の発がん性物質が含まれる。
したがって、肺がん・口腔がん・胃がん・腎臓がんなどのリスクがある。
3)紙巻きタバコと違い、発生する有害物質が見えにくい。
したがって、周囲の人々は受動喫煙を避けられず、かえって危険である。
4)「WHO タバコ規制枠組条約」(FCTC)の第6回締約国会議が決議したように、喫煙者をタバコの健康被害から守り、その呼気から非喫煙者の健康を守らなければならない。
5)すべてのレストランやバーを含む公共の場所・公共交通機関での使用は認められない。

 

allabout.co.jp

 

このような特徴を持つアイコスですが、健康への影響はどうなのでしょう? 「アイコスでタバコが止められたから禁煙成功!」と話している人までいるようですが、医師として結論からいうと、アイコスでは禁煙になりません。

アイコスの健康に関しての答えは、ヒートスティックの入った箱を見ればわかります。通常のタバコのパッケージに書かれているように「肺がんの原因のひとつとなり、心筋梗塞や脳卒中の危険性や肺気腫が悪化する危険性を高める」と明記されています。

また、未成年は決して吸ってはいけないことや、副流煙の危険性についてもタバコと同様の注意がきちんと書かれているのです。

 

確かに、火を使わず、灰を出さず、煙は少ないかも知れませんが、タバコ葉を加熱するために、ニコチンを初めとする様々な物質を摂取することには変わりがありません。ニコチンの依存性は極めて強いので、アイコスだけでもやはり止めづらいのに変わりはないようです。長期にわたって吸い続けると、重篤な健康被害を自分自身だけでなく周囲にも及ぼしかねないという点は、アイコスも通常のタバコと同じということでした。

 

ハームリダクションという考え方

公衆衛生の考え方にハームリダクション(harm reduction)という考え方があります。

 

ハーム・リダクション(harm reduction)とは、個人が、健康被害や危険をもたらす行動習慣(合法違法を問わない)をただちにやめることができないとき、その行動にともなう害や危険をできるかぎり少なくすることを目的としてとられる、公衆衛生上の実践、方略、指針、政策を指す。ハーム・ミニマイゼーション(harm minimization)とも呼ばれることもある。日本語では、「危害低減」の訳語をあてることができるが、「ハーム・リダクション」の語をそのまま外来語表現として用いることが多い。
ハーム・リダクション・アプローチは、娯楽目的の薬物使用やセックス行動のような様々な人間行動に対して適応されており、それはサービスから地勢的状況まで様々な状況に利用されている。


例としては、静脈注射使用者に対する注射針交換プログラム(en:Needle exchange programme)が挙げられる。この実践は、ヘロインや他の薬物使用における注射針の回し打ちや再利用を減らすことによって、HIVやC型肝炎などの感染症の拡大を防ぐことを目的とする。注射針無料交換プログラムや、オピオイド置換療法(英語版)は、プライマリヘルスケアの場において安価に提供可能なプログラムである。メサドンや医療用ヘロインを用いた維持療法についてのアウトカム研究は、ハーム・リダクション・プログラムの利用者は、過剰摂取による事故がより少ないこと、救急医療の利用回数や医療費がコントロール群に比べ少なく、就業していることが多く、薬物目当ての軽犯罪にかかわることが少ないことなどを報告している。
典型的な批判としては、ハイリスク行動や違法行為について寛容的であることは、コミュニティに対して「認知されている行為である」というメッセージを送ることになってしまい、こういった対応は、その有害性を減少させることはできないという意見がある。

 

つまり、有害性を完全には取り除くことはできないけれども、より有害性の少ない行動習慣に変化していくことにより、健康被害のリスクを減らしていく、という考え方だと思います。

 

知りたいのは、ここなんです。

iQOSが従来の紙たばこと比較するとどのぐらいの有害性があるのか、ないのか、ということを知りたいのに、1か0かで話を進められても、なんだなかーという気もしてしまいます。

 

iQOSの公式サイトでの臨床研究のデータ

iQOSの公式サイトでは非臨床試験の結果は公表されています。

iQOSのたばこベイパー(煙)の有害物質が、紙タバコの9割減という結果です。

 

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しかしながら、臨床試験の結果は公式サイトではまだ公表されていません。

 

ということで、アメリカのGoogleでiQOSの臨床試験を調べてみた

日本語でググってみても、これ以上の情報は出てこなかったので、アメリカのGoogleで検索してみたところ、もう少し詳しいデータが出てきたので転載しておきます。

まず、データの出どころとしては、紙たばこや電子たばこを製造する企業団体が主催した2015年のカンファレンスで、iQOSを製造しているフィリップモリスが臨床データを発表しています。

その結果がこちら。

Heat-not-Burn Products: Scientific Assessment of Risk Reduction | PMI Science

翻訳すると、「非燃焼式加熱式商品におけるリスク低減の科学的評価」ぐらいでしょうか。

詳細は実際のデータを見ていただきたのですが、抜粋していくつか紹介します。

 

iQOSでは有害性物質の低減している

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このデータに関しては、日本のiQOSホームページにも掲載されていましたね。

載っていないものとしてはカナダの保健省(日本でいう厚生労働省のようなもの?)が定めている44種類のタバコの有害物質が95%低減していること、また15種類の発がん性物質が95%低減していることが追加で掲載されています。

ただ、このデータには注意が必要で、高い低減率を示す物質だけを選んでいるデータかもしれません。

 

iQOSでは毒性試験において毒性が低減している

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毒性試験とは本当に簡単にいうと、哺乳類の細胞に調べたい物質をふりかけて、細胞が生きているか死んでいるか、または癌になっているかどうかなどの異常を見るというものです。

ここで調べたいものは、もちろんiQOSのベイパー(煙)ですよね。

細かいAssayの解説はおいておいて、結果だけ見ると、毒性は90%低減しており、さらに発がん性は95%に下がっています。

 

iQOSでは臨床試験において有害物質の暴露が低減されている

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臨床試験の結果も公開されています。

こちらは、詳しい解説がないので詳細は不明ですが、おそらく喫煙者に対して、そのままタバコを吸い続ける人(■のマーク)と、iQOSに切り替えた人(▲のマーク)と、完全に禁煙した人(●のマーク)の3群に分けて、有害物質の暴露について調べたデータになります。

呼気中濃度を調べたのか、血中濃度を調べたのか不明ですが、おそらくは呼気中濃度でしょう。

4種類の有害物質しか掲載されていませんが、iQOSと禁煙の群で同程度の暴露率であることがわかります。

ただし、これについても、ポジティブなデータが掲載されていないだけなのかもしれません(もちろん、企業側は全ての有害物質に対して調べていると思います)。

 

マウスにおいて、心血管系疾患のリスクが低下している

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マウスを用いた長期的な予後についても研究されています。

長期と言っても8か月で、脳梗塞のリスクとなる大動脈弓のプラークの大きさを調べています。

つまり、プラークの大きさが大きくなればなるほど、そのリスクは大きくなります。

その結果ですが、こちらも解説がないので詳細は不明ですが、iQOSと禁煙をした群ではプラークの大きさは同程度ということが明らかとなっています。

 

僕なりの結論

今のところ、紙タバコよりはマシ、少なくとも紙タバコと同程度、ぐらいには考えてもいいのではないでしょうか。

もちろん、これだけのデータでは、やはり結論を出すことはできませんが、フィリップモリスもハームリダクションを目指してiQOSを紙タバコの代替品にしたいのであれば、多少都合の悪いデータでも多くのデータを公開してほしいなと思います。

そして、一番知りたいのは、人におけるiQOSと紙タバコの長期予後に関するランダム化比較試験(RCT)ですよね。

まぁでもその時には僕は死んでいる可能性は高いですけれども。

 

 

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