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もやもや日記

iQOS(アイコス)、禁煙、医学部、ラジオについて気になったことを書いていきます。

専門医制度、ますます混迷を極める。。。結局骨抜きになるかもしれない

キャリア 専門医

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専門医制度、まだまだ議論が紛糾しているみたいですね。

 

新専門医、「議論の順番が違う」と異論
機構のガバナンス、サブスペシャルティが問題

 

もしかしたらですけど、結局骨抜きになって、現行とほぼ同じ、なんてことありうるかもしれません。

 

サブスペシャリティーに関するプログラムがほとんど決まっていない

記事の中で気になったのは次の部分です。

 

日医常任理事の釜萢敏氏は、専門医をめぐり問題になっているのは、基本領域よりも、サブスペシャルティの専門医であると指摘。「サブスペシャルティの議論がほとんどなされないまま、この制度がスタートするのはおかしい。(サブスペシャルティという)先がどうなるかが分からない中で、(基本領域の)研修プログラムに応募しろ、というのは無理な話」と述べ、サブスペシャルティの問題を検討した後に、新制度をスタートさせるべきと提案。

 

サブスペシャリティーに関して、今までほとんど調べてこなかったので、各学会がどのような方針でカリキュラムを作成しているのか調べてみました。

例えば、日本胸部外科学会・日本心臓外科学会・日本血管外科学会が共同して設立している心臓血管外科専門医認定機構では、次のようなアナウンスをしています。

 

心臓血管外科プログラム整備基準(案)

 

このプログラム整備基準は外科専門医研修を経て心臓血管外科専門医を目指す専攻医を募集するプログラムを準備する基幹施設が対象となります。

外科修練―心臓血管外科修練は連続性(連動型プログラム)を持って行われることが望ましいのですが、現時点ではサブスペシャルティ領域での日本専門医機構によるプログラム整備基準の認定はなされていません。

従って、現時点ではこのプログラム整備基準にそったプログラムを作成しても、認められないことになります。

しかしながら、現実として 2015年 10 月より外科専門研修プログラムの受付が開始されます。2017 年より心臓血管外科志望の専攻医を募集するためにはどうすればよいかの議論がなされました。

結論として、皆さんの所属する外科専門研修基幹施設が外科専門研修プログラムを外科専門研修プログラム整備基準(第 6.4 版)、モデルプログラムに沿って作成したものに、心臓血管・血管外科は研修すべき領域を提供する立場として参加するしかありません。

しかし、混乱を避けるために、そのプログラム内での各外科領域の研修方法・時期、期間は各自のプログラム内にて相談して頂きたいと思います。

これまでの現状と大きく変わらないように配慮していただければと思います。

外科プログラム参加時に将来心臓血管外科を専攻すると決めている専攻医には外科専門医制度で求める手術実績を満たした上で、心臓血管外科への連動を視野に入れた研修内容(心臓・血管領域の経験を多く与える)を提供することはこれまでと同じに行ってください。

心臓血管外科領域の責任者である先生は外科専門研修プログラムにおいては統括或いは副プログラム責任者となることを勧めします。

(当然、心臓血管領域の専門研修においては統括責任者となりますので、外科研修との連動がよりし易くなると思います)

 

要は、心臓血管・血管外科は基本領域に入りたかったけど無理なので、心臓血管・血管外科の専門医を目指す研修医には、これまで通り心臓外科に特化した指導をしてね、と僕は読み取りました。

将来、心臓血管・血管外科医を目指す医師に、虫垂炎の手術なんて必要ありません、ってことです(ただ、2015年8月段階の資料になるので、これより議論が進んでいるのかもしれませんが、これより先の議論についてはフォローしていません)。

 

現段階の新専門医制度の構想では、内科も幅広い領域を見るために?かどうかはわかりませんが、内科専門医を取得するためには、3年間幅広く内科領域で研修をする必要があります。

しかし、上記学会の理屈が通るのであれば、将来、神経内科に進もうと決めている研修医には、内科全般の研修をせずに、神経内科の研修ばかりさせて、内科の専門医を取得させる、ということもありえるかもしれない、ということになります。

これって、研修期間が伸びただけで、現行の専門医の制度と変わりませんよね。

もちろん、外科系と内科系、そしてマイナー系では事情が異なるとは思いますが、サブスペシャリティーの扱いに関して、もう少し丁寧にアナウンスがあってもいいかもしれません。

ちなみに、内科のサブスペシャリティーに関して、日本循環器会や日本消化器学会などの各学会から具体的な発表はほとんどなされていません。

 

内科新専門医制度では、初期研修の症例数もカウントされる

内科の新専門医制度では、初期研修の症例も経験すべき症例の中に組み込んでもいいようですね。

 

www.naika.or.jp

 

『プログラム整備基準』の項目8と項目33をご覧ください。専攻医研修において、内科領域はその幅の広さと稀少疾患の存在から全疾患群を受け持つ機会が困難な場合が想定されます。ただし、初期臨床研修中の内科研修での経験も、内科専門研修で得られなかった貴重な経験が含まれる場合があるため、これらを省察し学習することは専門研修においても有益と考えられます。
そのため、その専攻医が初期臨床研修中に経験した症例のうち、主担当医として適切な医療を行い、専攻医のレベルと同等以上の適切な考察を行っていると指導医が確認できる場合に限り、最低限の範囲で登録を認めます。これらの症例は、専門研修中に登録した症例と同様に、専攻医登録評価システム(仮称)を通じて指導医が確認と承認を行います。

 

それじゃあ、経験すべき症例をできるだけ初期研修中にとって、後期研修は内科全般ではなく将来進むサブスペシャリティーの研修に充てることも可能なの?とゲスい考えをしてしまいましたが、同じように考えている病院もありましたw

 

新・内科専門医制度に対応した福島医大内科研修プログラム

 

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この図を見ると、各科ローテートが1年未満で、本来、内科の専門医取得のために充てる3年間のほとんどがサブスペシャリティーの研修に充てるカリキュラムになっていますね。

初期研修は色々な科を回るために作られた制度なはずなんですけれど、上の画像の「早めにsubspeタイプ」は、サブスペシャリティーの取得を早くするために、初期研修をほとんど内科にしてしまうという、まさに本末転倒なことになっています(初期研修のそもそもの是非はあるかもしれませんが)。

ただ、これを大学病院でやっているって、ある意味画期的かもしれません。

うーん、でも専門性の高い大学病院だからこそやっているのかもしれません。

医局の囲い込みもできるし、早く専門医育てられるし、一石二鳥なのでしょう。

 

そして、もしも研修病院のほとんどが「早めにsubspeタイプ」型のプログラムをとるとすれば、新専門医制度は結構骨抜きなものとなってしまいます。

そのとき、内科専門医の3年は初期研修で拾いこぼした症例をとりにいく期間、そしてそれが終わったら、早めにサブスペシャリティーを学ぶ期間という位置づけになるかもしれません。

 

まとめ

個人的に今後、どのような動きになるか予想してみました。

 

実現される可能性が高い部分

  • 従来の学会管理の専門医制度から日本専門医機構による一元管理
  • 基本領域を複数またがった取得は原則不可
  • 総合診療科の設立
  • 専門医の人数制限

 

見直しが行われるかもしれない部分

  • 地域医療に配慮して施設要件の見直し
  • 基本領域とサブスペシャリティーの連続性

 

とりあえず、こんな感じです。

引き続き情報が入り次第、またまとめたいと思います。